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文書館に敬礼

少々無理をお願いして、実質四日だけの調査のためにDCを訪れていました。国立文書館へ。

いつもながら頭が下がるのは史料の番人たち。

今回の史料は、第一次大戦期にわずか二年だけ存続したとある連邦組織のもの。交信記録だけでも250ボックスくらいでしょうか。ひとつずつ当たろうとしたら何ヶ月ではたして利くかというもの。インデックスのおかげでかろうじて手がかりをもらうわけです。政府機関ですから、史料としては収集も整理も比較的楽な部類でしょうが、それでも誰かがこつこつとインデックスにしてくれないとたまりません。事情に通じているはずの私がみても「なんじゃこれ?」「なんで?」「わからん」と思うものを、淡々と着々とメモしてタイプライターを叩く。で、保管して、所在に通じた文書館員をそろえておく。

上澄みをお借りして仕事をさせてもらっています。見立ての個性や強さがないと外国研究・歴史研究なんか消し飛ばされてしまうわけですが、史料とじっくり向き合わずには砂上の楼閣。地道な作業への敬意を表したく。最敬礼を。

あらためてこんな当たり前のことを思うのは、このところずっと苦労している原稿があるからにちがいなし。先行研究が築いた水路にあらがって進もうとしています。自信の半面、ホントにこんなこと言えるのかなと筆が止まってしまうこともたびたび。すごくコワくて足がすくみます。こんなときは、史料の森をもう一度くぐり抜けて、張りめぐらされた小径のつくりをじっくり洗い直して、自分がつなげようとしている道の意味と妥当性をつかみなおすしかありません。実証史が築く砦を破ろうとしたら、その実証の足場から考証にかけるしかなし。史料と議論argument・叙述narativeとの往還です。

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