行ってきました、「占拠」運動 in DC
最後の夜、いまアメリカに来て見ないわけにはいかんわなと、くたくたの体をひきずってOccupy DCへ。ニューヨークでのOccupy Wall Street(「ウォールストリートを占拠せよ」運動)に呼応して各地で展開中のロングラン・デモです。
ううむ...、すみません短時間滞在ではわからんかったかも。テント村を案内してもらって、GA(というのか、総会general assembly. 意訳としては全員参加型の意思表明儀礼?)にちょっとまぜてもらって。ついこないだ気鋭の政治学者にあれこれ教えてもらっていたのですが、くたびれたアンテナでは感じきれず。ニューヨークとは規模も違うのでそれは割り引かないといけないでしょうが。
ともあれ現時点での観察メモ。
なにかを直接変えていくには力不足かという印象は変わらず。いろいろな人がそれぞれの深度でどっっぷりからふらりとまでかかわるのが魅力ですが、今のところどこかで結晶しそうにはなし。大統領選がもう一年早かったら少し違ったかもしれませんが、そこまではちょっと保たないかなぁ。
でもなるほどね、と思うところもあり。
相互学習・相互トレーニングの場所なのだな、と。交差点の向こうから「じ~ざ~す、じ、い、ざす!」とマイクで連呼する妨害にもめげずに、マイクなしで行くGA。マイクを握った誰かが壇上から引っ張るのではなくて、協働的な意志決定をやるわよと。まったくの空論だわなという感じの一方で、そういう試みを毎晩仕掛けているらしい若い人たちは、唱和やらサインランゲージやらちょっとヘンテコなコミュニケーション手段をあれこれと試している様子。歴戦の活動家(?)風の人々がそれにあわせてみたり、おちょくってみたり。何だかなぁこれでどこに行くのだろうという場面の方が多いのですが、方法の棚卸しと実験とが進んでいくようです。
すっかり自家薬籠のものにしたビデオ、ツイッターなどなどのメディア戦術、にぎやかしのデモ(ホワイトハウスのすぐそばの公園でやってます。聞こえているようには思えなかったけれど)、定番ながら大事な法教育(15分で使える警察対策法講座はすばらしい)など、盛り沢山。こうしてまた一人、また一人とノウハウを蓄えた人が増えていくのかと感心。
あちこちで時折噴出している長いながい対抗運動がここでまた顔を出していると言うのは間違いではないかな。ゆっくりと準備が進んでいくようです。
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