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「オバマ」の見方:就任前の覚え書き

新しい年が始まりました。昨年末からの景気急転もあって、ゆっくり今年の行く先を考えるような気分はあまり広がらなかった印象はあり。とはいえ、覚え書きをひとつ。

今シーズンの「今年の日本はどうなるのだ」論、定番アイテムのひとつは「オバマ」。アメリカはオバマでチェンジなのに、日本はこのままで良いのかと。麻生さんと自民党がこけまくるので、この日米比較がなにやらそれらしく映る様子。

ちょっと危ういかと。

試しに、オバマの自伝『マイドリーム』を眺めてみると、彼の「チェンジ」があくまでも二十世紀後半のアメリカ的な文脈から生まれているのが見て取れます。ポスト・ベビーブーマー世代、ポスト1960年代世代として、彼の経験と思考とは深く結びついています。オバマの「チェンジ」は具体的にはこの先行世代からとの差別化です。真摯な模索から練りあがったものですが、それが現状に対しても万能とは限りません。

たしかに、アメリカが変わるとすれば千載一遇の機会です。就任前の準備も周到に進められていて、その手際には舌を巻くところ。ただそれでもオバマでわっしょい式にあらかじめ喜ぶのはひかえたい。

それと言うのも、オバマ礼賛と日米比較が、ほら日本にもオバマにも強いリーダーをといった待望論へと流れ込んでいきそうだからです。三日の朝日新聞に出ていた御厨氏の論説などもその一例でしょうか。

一発でなにもかも良くなる秘薬はないのをおさえておきたいところです。数少ない警鐘としては、昨年末の毎日新聞のインタビューで佐藤優氏がオバマ・ファシズムを警戒していました。大事なリアリズムだと思います。

年頭から保守っぽい言い草ですが、世界はゆっくり変えていくもの。就任演説にうっかりほだされてしまう前に書き付けておきます。

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