« 「オバマ」の見方:就任前の覚え書き | トップページ | ミネアポリス »

渋谷でチェチェンからガザまで

ガザ停戦の報。「停戦」?「沈静化」?でも封鎖は解かないというなら、水もガスも食料も制約し続けるというわけか。もうすでに一年を超えて締め上げてきて、それはゲットーへの封じ込めとはどう違うのだ。

そのニュースを聞きながら、『チェチェンへ:アレクサンドロの旅』へ。苦手のソクーロフ監督(たいていワカラナイ)ながら、これは力強い。

ロシアのおばあさんがチェチェンで掃討戦についている孫を訪ねるというお話。ホントにこんな慰問が出来るわけではないのだろうけど、兵士の間をおばあさんが徘徊して回るという図に胸ぐらをつかまれる思い。映画で兵士が持っているとつい見過ごしてしまうけれども、年寄りの一瞥をくらうと銃は実にグロテスクな代物。そして、軍人という仕事がいかに異様なものか。それに、崩れていくのはロシア人だけじゃない。ふらふらと基地の外に出たおばあさんが廃墟のようなチェチェンの町をうろつくと、奥底の傷がチェチェン人を蝕んでいるのが感じられる。

告発したり詰問したりという調子は薄い。というか、これコメディなのだと思う。見慣れないパターンなのでぼくにはすっと笑えたりはしないけれど、その関節はずしの向こうでうきぼりになるのは軍事占領がどれほど人を荒ませるのか。

今日のタイミングではパレスチナとイスラエルとを思い浮かべずにはいられない。現時点ではひとまずイスラエルの軍事力が圧倒的にみえはする。世の中結局は力なのかと。でももう一皮むいたときにはどうなるだろうと問う格好。強者の側も含めて、何が起きるのかを想像してごらん。そう言われるよう。久々に中味も含めてオススメできる一品。

|

« 「オバマ」の見方:就任前の覚え書き | トップページ | ミネアポリス »

松原」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/25562/43798140

この記事へのトラックバック一覧です: 渋谷でチェチェンからガザまで:

« 「オバマ」の見方:就任前の覚え書き | トップページ | ミネアポリス »