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「歌わせたい男たち」に考えさせられる

コメディ、恐るべし。再演された『歌わせたい男たち』、東京公演は終わってしまったけれども神奈川も含めて各地をまわっていきます。

標準的な紹介なら、ここ数年話題の学校での君が代斉唱の徹底はやりすぎなんじゃないのという見方を笑いをまぶして芝居にした、となるのでしょう。でも、観てみるとちょっと違いました。サヨクのみなさんが溜飲を下げている場合じゃないですよ。むしろご覧になるべきは、そりゃあ国旗国歌はしっかりやっとけよとご推進のみなさん。コッカの危機ですぞ。

コメディ仕立てなのにリアルなのは、「歌え」じゃなくて「オネガイ、歌って」だから。学校の現場に降りてきたとき、「歌わせたい」人たちの関心は「国旗国歌」とか「イデオロギー」とか「ニッポンのあり方」にはないのかも。教育委員会のお達しに右往左往する校長先生をはじめ、いかに上やら同僚やらににらまれずに職場をうまくまわしていくかなんていう方がずっと大切だったりするのですね。そういえば、この芝居に出てくる社会科の先生なんかも相当いいかげんだし、主役格の音楽教師なんかもう論争お構いなしにわが道を行きますもの。歌う歌わないでえらい緊張状態が生まれていくのに、よく考えると、肝心のはずのお国のあり方はもうす~っかりどこかに忘れられていくのに気づきます。

え、それは劇作家のつくりごとでしょ?でも、こないだもニュースになってましたね、文科省が審議会が終わってから新学習指導要領みに「愛国心養成」をこっそり書き入れてしまった事件。えげつないナショナリストめ文科省と怒っている人もいるようですが、事態はもしかすると逆かもしれません。愛国心について合意を広げていこうなんてまともに思っている人はもういよいよ絶滅種なのかも。

まぁだからといって安心もできませんが。中味が空っぽなのに、巨大な力だけが作動している。これはやっぱりちょっとコワイ。

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